■決められる政治の出番
2012.7.16 毎日新聞社説より
AIJ顧問事件で公的年金の存続を心配している人がいるが、AIJが穴を開けたのは基金(3階部分)。公的年金には本来影響がない。ただし、厚生年金の一部を国から預かって代行運用しており、そこに穴が開いているために基金を解散したくてもできない状態。元々基金は不況業種の中小企業が集まったケースが多いので、無理に返済を求めれば倒産し、共同で運用している他企業に連帯責任を求めれば連鎖倒産。現在578の基金の4割が「代行割れ」の状態で、不足部分の総額は7千億円。
穴埋めに妙案はない。1つは公的年金の積立金で生める方法。でもこれは全く関係のない厚生年金加入者が許さないだろう。もうひとつの方法は年金受領額を減額する方法。<■東電が企業年金の給付水準下げ>という記事を書いたけど、基金は退職金の一部で、これもなかなか理解を得られそうにない。現役世代が年金受給世代よりはるかに多かった頃は積立金も増えていく一方だったが、これからは積立金を少しずつ切り崩して超高齢化を乗り切っていくしかない。代行割れした基金は早々に見切りをつけるべきだろう。その意味では「政治」に期待をせざるを得ない。
■胆管がん、続々報。時効を弾力的に判断
2012.7.12
胆管がん患者に対し、厚労省が労働局に対し、労災の時効判断しないように指示。時効の凍結をしたことになる。
キーワード:労災に基づく「遺族補償給付」の時効は、「死亡の翌日から5年」。休業補償給付は、「休業の日の翌日から2年」。療養補償給付は、「療養に要する費用を支払ったつど、その翌日から2年」。発症者12人のうち、現行制度では全員が何らかの補償を受けられない。
■国民年金の4人に1人が「収入無し」
2012.7.13
国民年金に加入する第1号被保険者の38%が収入無し。厚労省発表。元は自営業者のための年金制度だが、無職や非正規雇用の人が大半を占めているせいか。
僕も第1号被保険者。明日は我が身。対岸の火事じゃないね。
キーワード:第1号被保険者の加入者は1938万人。年収調査は2010年~11年。15歳以上の09年分を調査。試験に出るかも。
■どうなる? 100歳以上の社会保障
2012.7.14
100歳以上の人口は2010年で4万4400人。自立できている人はそのうち2割。2050年には70万人弱へ。
現行の社会保障制度の根幹ができた1965年にはたったの198人。「元気で長生きなら」いいけど。
■協会けんぽ、2011年度決算は黒字維持
2012.7.14
2011年度は2586億円のプラス。
協会けんぽは黒字なのか。加入者サラリーマンだもんね。保険料の未納もないし。でも、今後高齢者医療費の負担増で赤字に転落するらしい。現在、医療費の16.4%(1000分の164)を国の補助でまかなっているけど、20%にしてくれ~って交渉中。
協会けんぽ
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組合
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共済組合
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加入者数
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3483万人
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2995万人
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912万人
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